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大腸憩室炎ってなに?入院治療や手術について

病気

大腸憩室炎というのを聞いたことがありますか?
高齢者になるほどおおくなる病気です。
若い人でもなるので注意したい病気です。

大腸憩室とは

大腸の腸管の外側に向かって風船のように飛び出したような状態のことをいいます。
先天性のこともありますが、だいたいが後からできる後天性なのだそうです。
この大腸憩室ができているだけでは症状は特にありません。

大腸憩室炎になる原因

大腸憩室炎は、憩室に細菌が繁殖して炎症を引き起こすのが原因です。
憩室に便が入り込んでしまったことがきっかけで細菌が繁殖することがあります。
炎症を起こすと、下腹部の痛みや下痢、便秘になります。
発熱があったり出血がおこったりします。
悪化すると大腸憩室が破裂し、大量出血になったり大腸・小腸・膀胱などの臓器との間が穴でつながってしまうこともあります。
また、放置すると腹膜に炎症を起こしたり、大腸内の細菌が血液に入り全身にまわり敗血症になり命の危険にさらされます。

大腸憩室の診断

CTやエコー検査で虫垂炎ではないことをたしかめます。
大腸のどのあたいりで炎症が起きているか確認します。
大腸憩室そのものの存在は、大腸内視鏡や造営検査(大腸バリウム検査)を行うことではっきりわかります。
出血を起こしている場合は、内視鏡で出血している場所を確認して、止血用のクリップを使って直接止血をおこなうことができます。
ただ、炎症が強いと、内視鏡で腸管に穴が開くことがありますので炎症が治ってから内視鏡検査を行います。

大腸憩室炎の治療法

炎症の程度が軽いと安静で抗菌剤を使ったり、食事管理をすることで改善されます。
しかし薬で効果がえられない場合や、重症化して腸管に穴があいている場合は、外科的な処置が必要になります。
腸管の破れている部分を手術でとりのぞき、正常な部分とつなぎ合わせます。
炎症がひどい時はつながらないのでいったん人工肛門をつけます。
炎症がおさまってきたら再度腸管をつなぐ手術を行います。
膿がたまっている場合は、チューブをいれて体外に膿を出す処理をします。
出血の場合は内視鏡で止血します。

大腸憩室の予防

大腸憩室炎を起こさせないためには、大腸憩室を作らないことが大切です。
だいたいが後天性のものなので、食物繊維が少なくて動物性のたんぱく質や脂肪が多い食事を避けることが大切です。
なるべく便秘しない体質にしましょう。
便秘がひどいと、排泄のときにいきみがちです。
毎回いきむと、腸管に力が入り、腸管の弱い部分が押し出され憩室がつくられます。
自然に排泄できるように食生活をみなおしましょう。

大腸憩室炎になったあとの再発防止にも食生活の見直しは必要です。

まとめ

大腸がんばかりでなく大腸憩室も日本人の食生活の変化から多くなってきている病気です。
大腸憩室は高齢者になるほど多くなってきます。
大腸は右にも左にもあり、とくに右側に憩室ができやすいといわれています。
なので、大腸憩室炎になって腹痛をおこしたときに、右側が痛くなり虫垂炎と間違えられやすいです。
虫垂炎だと思って鎮痛剤で散らして放置しておくと、憩室が破裂して重症化してしまった、ということもあります。
放置しておくのは危険ですので、いちど検査をしてみましょう。
大腸がん検診で大腸憩室がみつかることもあるので、大腸がん検診(内視鏡検査)は定期的に受けましょう。

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